連投&長文失礼します
『『赤ずきん』より
〜月下のマゾヒスト〜』
黒いそのマシンガン奪って
僕の逆らうこの動脈をぶっ潰してくれ
そしてその深紅のベールを脱いで微笑んで
高らかに笑って
息絶える僕に問うてくれ
どうしてそんなに赤い血をしているの
僕は答えるから
君の笑顔が見たいから
君は赤が好きだろう
どうせ 最後が訪れるなら
君の腕で
君の中で
恐いものなんか無いと言う君
誰も引き剥がせない赤のベールで身を包み
真の素顔を見せないなんて勿体無いよ
でも僕には見えるんだ
そのベールの下にある誰よりも純粋な少女の姿
どこか遠くの現実を映すその瞳の美しさにかつて何本の薔薇が腐敗していったことだろう
月光が君を照らす
夜風に靡く金色の髪に
かつて何匹もの狼達が君の前では仔犬と化しただろう
馬鹿な奴らがいたもんだ
この耳は君の声を聴くために
この目は君の姿を捉えるために
そしてこの口は
口付けするためにあるといいうのに
君の足元に膝まずき君の足元に膝まずき
その長い爪の先からか細い手首の隅々にまで
白い手に口付けするためにあるというのに
馬鹿な奴らがいたもんだ
何を勘違いしてるんだ
愛は奪うことじゃない
愛は奪われるものなのだ
君に奪われたい
君にこの僕の生きる証を染み込ませたい
僕は犠牲になろう
君が微笑んでくれるなら
君がこの汚れた世界から守るそのベールが必要じゃなくなるのならば
黒いそのマシンガン奪って
僕の呪われた結末に同情しておくれ
重いその弾丸で僕の心すべてを奪って
そしてその深紅のベールを脱いで微笑んで
高らかに笑って
息絶える僕に問うてくれ
どうしてそんなに赤い血をしているの
僕は答えるから
君の笑顔が見たいから
君には赤が似合うから
君は赤が好きだろう
どうせ 最後が訪れるなら
君の腕で
君の中で